糖尿病の治療
糖尿病とは、血液中のブドウ糖の濃度である血糖値が、慢性的に高くなってしまう病気です。東近江市のたく内科クリニック(旧山口医院)では、祖父の代から続く地域医療を大切にしながら、総合内科専門医としてお一人おひとりの生活背景に合わせた糖尿病治療を行っています。放置すると全身の血管にダメージを与え、深刻な合併症を引き起こす恐れがありますが、適切な管理を続ければ健康な方と変わらない生活を送ることが期待できます。JR能登川駅から徒歩4分の当院では、お忙しい方でも通いやすいよう朝8時30分からの診療や、WEB予約システムを整えて皆さんの健康をサポートしています。
糖尿病の症状について
糖尿病の恐ろしい点は、初期の段階ではほとんど自覚症状がないことです。しかし、血糖値が高い状態が続くと、体は過剰な糖を排出しようとするため、さまざまなサインが現れ始めます。以下のような症状に心当たりがある方は、早めに受診を検討してください。
- 喉が異常に乾き、水分をたくさん飲むようになる
- 尿の量や回数が増える(多尿)
- しっかりと食べているのに体重が減る
- 全身がだるく、疲れやすい
- 傷が治りにくくなる
- 目がかすむ、視力が落ちたように感じる
- 手足がしびれたり、冷たく感じたりする
これらの症状を自覚した時には、すでに病状が進んでいる場合も少なくありません。私たちは、能登川駅近くの地域のかかりつけ医として、些細な体調の変化でも気軽に相談できる体制を整えています。少しでも気になることがあれば、放置せずにご相談ください。早期発見が、将来の合併症を防ぐための第一歩となります。
深刻な合併症「し・め・じ」について
糖尿病が進行すると、毛細血管がダメージを受け、いわゆる「三大合併症」と呼ばれる症状が現れます。これらは頭文字をとって「しめじ」と覚えられています。
「し」・・神経障害
手足の末梢神経に障害が起こり、痛みやしびれを感じたり、逆に感覚が鈍くなって怪我に気づかなかったりするようになります。ひどい場合は足の細胞が死んでしまう壊疽(えそ)に至ることもあります。
「め」・・網膜症
目の奥にある網膜の血管がボロボロになり、視力が低下したり、最悪の場合は失明したりする恐れがあります。成人の失明原因の上位を占める非常に重い合併症です。
「じ」・・腎症
血液を濾過する腎臓の機能が低下し、最終的に人工透析が必要になることがあります。透析治療は生活の質を大きく左右するため、進行を食い止めることが極めて重要です。
これらの合併症の有無を確認するためにも、定期的な血液検査や尿検査が必要です。当院では院内で迅速な検査が可能です。検査の詳細については「各種健診・検査」のページも併せてご覧ください。
糖尿病の原因について
血液中の糖分を調節しているのは、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンです。このインスリンが十分に働かなくなることで血糖値が上昇します。原因は大きく分けて2つの要素が絡み合っています。
インスリン分泌の低下
膵臓の機能が低下し、インスリンを作る力が弱まってしまう状態です。これには遺伝的な体質が影響することもあります。日本人を含むアジア人は、欧米人に比べてインスリンを分泌する力がもともと弱い傾向があると考えられています。
インスリン抵抗性の増大
インスリンは出ているものの、肝臓や筋肉などの細胞がインスリンに反応しにくくなり、糖を取り込めなくなってしまう状態です。これは主に生活習慣が大きく影響しています。具体的には、運動不足、過食、肥満、過度なストレスなどが挙げられます。
私たちは、患者さんのこれまでの生活スタイルを否定することなく、どうすれば無理なく改善できるかを一緒に考えます。生活背景まで踏まえた医療を提供することが、たく内科クリニックの診療ポリシーです。無理な制限を課すのではなく、対話を重視した診療を心がけています。
糖尿病の病気の種類について
糖尿病は、その発症のメカニズムによっていくつかのタイプに分類されます。ご自身がどのタイプに該当するかを精密に診断することが、的確な治療への近道となります。
2型糖尿病
日本人の糖尿病患者さんのうち、約95%を占めるのがこのタイプです。遺伝的な要因に、過食や運動不足などの生活習慣が重なって発症します。中高年以降に多く見られますが、近年は若い方の発症も増えています。初期は内服薬や食事療法でコントロールできることが多いです。
1型糖尿病
膵臓の細胞が自己免疫の異常やウイルス感染などによって破壊され、インスリンがほとんど作られなくなるタイプです。生活習慣とは関係なく発症し、子供や若い方に多く見られます。生存のためにインスリン注射による補充が欠かせません。
妊娠糖尿病
妊娠中に初めて発見される、まだ糖尿病には至らない程度の糖代謝異常です。母体と赤ちゃんの健康を守るために、厳密な血糖管理が求められます。出産後に血糖値が正常に戻ることも多いですが、将来的に糖尿病を発症するリスクが高まるといわれています。
その他の特定の原因による糖尿病
他の病気(肝疾患、膵疾患など)の治療や、ステロイド薬などの副作用によって血糖値が上昇するケースです。原因となっている病気の治療と並行して、血糖コントロールを行います。
ご自身のタイプに合わせた適切なケアが必要です。内科全般をトータルに診る当院の診療方針については「内科診療について」のページもご参照ください。
糖尿病の治療法について
糖尿病治療の目的は、血糖値を正常に近い状態に保つことで、恐ろしい合併症を防ぎ、健康な人と変わらない寿命と生活の質(QOL)を維持することにあります。東近江市のたく内科クリニックでは、以下の治療法を組み合わせて行います。
食事療法
治療の土台となるのが食事です。食べてはいけないものがあるわけではなく、適正な量をバランスよく摂ることが大切です。極端な糖質制限は体への負担が大きいため、私たちは持続可能な食生活を提案します。野菜から先に食べる「ベジタブルファースト」などの工夫も丁寧にお伝えします。
運動療法
運動をすることで、血液中のブドウ糖が筋肉で消費され、インスリンの効果が高まります。激しい運動は必要ありません。1日20分から30分程度のウォーキングなど、日常生活の中で無理なく続けられる有酸素運動を推奨しています。膝や腰に痛みがある方は、座ったままできる運動もご紹介します。
薬物療法
食事や運動だけでは血糖コントロールが不十分な場合、お薬の力を借ります。現在は多くの種類の内服薬があり、患者さんの状態に合わせて選択します。また、必要に応じてインスリン注射や、週1回の投与で済む注射薬(GLP-1受容体作動薬など)を用いることもあります。
- 血糖値を下げる飲み薬(SGLT2阻害薬、DPP-4阻害薬など)
- インスリンを補う注射治療
- 自己血糖測定の指導
万が一、膵臓の移植などの高度な外科的治療が必要と判断される場合には、信頼のおける総合病院と密に連携して治療を継続します。また、院外処方への移行を予定しており、薬剤師の皆さんと連携してより安全な薬物管理を目指しています。
糖尿病についてのよくある質問
Q1.一度診断されたら一生治らないのですか?
A1.糖尿病は完治という言葉ではなく「寛解(かんかい)」という状態を目指す病気です。寛解とは、お薬を使わなくても血糖値が正常範囲内に保たれている状態を指します。生活習慣の改善によって、お薬を減らしたり中止したりできる可能性は十分にあります。
Q2.甘いものを食べなければ大丈夫ですか?
A2.甘いものだけでなく、炭水化物(ごはん、パン、麺類)や脂質の摂りすぎ、さらには全体の摂取カロリーが重要です。また、食べる順番や時間帯も影響します。当院では具体的で分かりやすい食事のアドバイスを心がけています。
Q3.健康診断で「境界型」と言われましたが、受診は必要ですか?
A3.はい、ぜひ受診してください。いわゆる「糖尿病予備軍」の段階であれば、食事や運動の工夫次第で糖尿病への進行を食い止めることが期待できます。早期の介入が最も効果的です。特定健診の結果などの相談については「健康診断・特定検診」のページもご覧ください。
